2011年5月18日水曜日

解と根

補習をやっていて気づいたこと.
教科書は2次方程式の「解の公式」で一貫していて,「根の公式」とは言わないのだが,実は,日ごろから気持ちが悪かった.

たとえば,解α,βと係数a,b,cとの関係などで,

2次方程式$ax^2+bx+c=0$の解をα,βとしたとき,
$\alpha+\beta=\frac{-b}{a}$,$\alpha+\beta=\frac{c}{a}$

という表現をする.「根」という語が使えれば,

2次式$ax^2+bx+c$の根をα,βとしたとき,
$\alpha+\beta=\frac{-b}{a}$,$\alpha+\beta=\frac{c}{a}$

という言い方ができて,「方程」や「=0」を節約できる.つまり,方程式は「等号」がなければならぬが,2次式はその必要が無い.

さらに面倒なのが,因数分解公式の表現.

2次方程式$ax^2+bx+c=0$の解をα,βとしたとき,2次式$ax^2+bx+c$は次のように因数分解できる.
$ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)$

解はあくまで,方程式に密着しているので,正確を期すには回りくどくなる.もともと根は,2次式の因数分解の表現に出てくる値なので,

2次式$ax^2+bx+c$は,その根をα,βとしたとき,次のように因数分解できる.
$ax^2+bx+c=a(x-\alpha)(x-\beta)$


だから,普通は「根」を使ったほうが便利な場合が多い.「解」というと方程式とセットにせねばならぬので,さして必要も無いところに,「方程式」や「=0」をご登場願わねばならない.

さて,「根」の公式を求める手順もいろいろ突っ込みどころがあって,以前記事にした.>本日の計算(2次方程式)
この記事の,「次の変形はやりすぎ?」の部分からわかるとおり,方程式にご登場願うまでもなく,2次式の式変形だけで,因数分解はできてしまうのである.

つまり,教科書の「解と係数との関係」では,方程式の解を使っているが,実際は方程式を解くことなく,2次式は2つの根で因数分解でき,その根によって方程式の解が求まるという流れになることがわかる.

さらに,方程式とは,「=0」ってことでもない.>以前の突っ込み

まぁ,工学など数学を使う立場からすれば,どっちでも同じことなので,教科書のような記述になっているわけだ.
補習していたら,「数学科希望」という生徒がいたから,
「数学科は,こういうことにこだわりたくなるのだよ.」

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