2010年11月20日土曜日

虚数の角

先日の記事.>答は出るけど,存在しない.

でとりあげた問題
$|\vec{a}|=\sqrt{2},\ |\vec{b}|=1,\ |\vec{a}+3\vec{b}|=1$ のとき,$\vec{a}\cdot\vec{b}$の値を求めよ.

答えは,$-\frac{5}{3}$ で,そこから,$|\vec{a}|=\sqrt{2},\ |\vec{b}|=1$ のなす角θの余弦 cosθ を求めようとすると,
$\cos\theta=\frac{\vec{a}\cdot\vec{b}}{|\vec{a}||\vec{b}|}=\frac{-\frac{5}{3}}{\sqrt{2}\cdot1}=-\frac{5\sqrt{2}}{6}=-\frac{7.07206}{6}\lt-1$
となり,存在しない.

でも,三角関数は複素数全体で定義された関数だから,cosθ = -1.17851 を満たす虚数θを求めることができる.

Euler の関係式
$e^{i\theta}=\cos\theta+ i \sin\theta$
より,
$\cos\theta=\frac{1}{2}(e^{i\theta}+e^{-i\theta})$
なので,>虚数の三角関数その2

$\frac{1}{2}(e^{i\theta}+e^{-i\theta})=-\frac{5\sqrt{2}}{6}$
両辺に,$6e^{i\theta}$ をかけて,
$3(e^{i\theta})^2+3=-\frac{5\sqrt{2}}{6}e^{i\theta}$
$3(e^{i\theta})^2+\frac{5\sqrt{2}}{6}e^{i\theta}+3=0$
$x=e^{i\theta}$ とおけば,x の2次方程式で,
$3x^2+\frac{5\sqrt{2}}{6}x+3=0$
で,解は,
$x=\frac{-5\sqrt{2}\pm\sqrt{14}}{6}$
である.ここでは,絶対値の小さい
$x=\frac{-5\sqrt{2}+\sqrt{14}}{6}$
で計算を進める.つまり,
$"e^{i\theta}=\frac{-5\sqrt{2}+\sqrt{14}}{6}$
である.
虚数$\theta=x+yi$と実部と虚部にわけて,実数x, y を求める.
ふたたびEuler の関係式より,>虚数の三角関数その2
$e^{i\theta}=e^{i(x+yi)}=e^{-y}(\cos x + i\sin x)$
なので,
$e^{-y}(\cos x + i\sin x)=\frac{-5\sqrt{2}+\sqrt{14}}{6}$
ただし,これは負の実数なので,偏角x=π で,絶対値は,
$e^{-y}=\frac{5\sqrt{2}-\sqrt{14}}{6}$
である.したがって,
$y=-\log\frac{5\sqrt{2}-\sqrt{14}}{6}$
より,
$\theta=x+yi=\pi-i\log\frac{5\sqrt{2}-\sqrt{14}}{6}$
であるから,
$\cos(\pi-i\log\frac{5\sqrt{2}-\sqrt{14}}{6})=-\frac{5\sqrt{2}}{6}$
となる.数値で書けば,
cos(3.14159- 0.588964i) = -1.17851

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