2006年6月8日木曜日

角の3等分

任意の角の3等分はコンパスと定規ではできない.
というのを日記にどこかに書いていたと思ったら,まったく触れたことがなかったようだ.
これは,ギリシャの三大問題の一つだが,否定的に解決している.
つまり,「人類の頭が悪くて,まだできない」のではなく,「不可能である」ことが証明されている.

90度や180度の3等分はできる.
180度÷3=60度 は正三角形の内角として作図できるし,その角を2等分した30度は90度の3等分となっている.しかしこれは,任意の角の3等分の作図とはいえない.
コンパスと定規で作図できる度数法で整数の角度は,3の倍数だけである.
実際,円はコンパスで半分,3等分,4等分,5等分,できるので,120度,72度などが作図できる.
任意の角の2等分ができるので,60度,30度,15度や36度,18度,9度なども作図できる.
角の差もできるから,18-15度の3度も作図できる.3度の和を作れば,3度の倍数の角はすべてコンパスと定規で作図できる.
だから,元の角度が9度の倍数で表される角度ならば,その3等分の作図はできるといえる.

つまり,3等分できる角は,別な方法で作図できる「特殊な角」なのである.

そうではない角は3等分できない.
たとえば,60度の3等分である20度は,作図できないことが以下の本に証明されている.
アルティン (著), 寺田文行(訳)「ガロア理論入門」東京図書 の110ページ
ジョセフ ロットマン (著), 関口 次郎 (訳) 「ガロア理論」シュプリンガー・フェアラーク東京の129ページ

コンパスと定規で作図できる計算は加減乗除と平方根.
角の2等分は三角関数の倍角公式
cos2θ=2(cos θ)^2-1
で,cos2θ がわかっているとき,cosθ を求めることに相当する.
定数 cos2θ=A,未知数 cosθ=x とおくと,二次方程式
A=2x^2-1
より
x=√((A+1)/2)
と解くことに他ならない.
x は加減乗除と平方根で表されるので,角の2等分が作図できることを示している.
実際は,極めて簡単に2等分できる.

角の3等分は三角関数の3倍角公式
cos3θ=4(cosθ)^3-3cosθ
で,cos3θ がわかっているとき,cosθ を求めることに相当する.
定数 cos3θ=A,未知数 cosθ=x とおくと,3次方程式
A=4x^3-3x
を解くことと同等である.解の中には3乗の逆算の「3乗根」が含まれるはずで,それはコンパスと定規で作図できないのである.
実際,3θ=60度のときA=cos3θ=cos60度=1/2 より方程式は
4x^3-3x=1/2
これをカルダノの解の公式で解こうと思ったら,不還元の形.つまり虚数で表される実数になってしまい,その一つは,
$\frac{1}{2}\left(\frac{1+\sqrt{3}i}{2}\right)^{\frac{1}{3}}+\frac{1}{2}\left(\frac{1-\sqrt{3}i}{2}\right)^{\frac{1}{3}}$
となった.
これを実際に数値計算すると実数0.939692621で,20度のcosの値 である.


コンパスと定規以外の道具を使って角の3等分はできることもわかっている.

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