2005年5月24日火曜日

ケッチン

キック式モーター始動の二輪車で,キックペダルが逆転して足を直撃することをケッチンという.

モーターが回っているときは,混合気の燃焼速度の関係でクランク上死点わずか手前でプラグに点火し,燃焼が拡がるころに上死点を通過し,その後ピストンを押し下げて,回転力を生み出すのがレシプロ内燃モーター.(回転数が上がると,点火時期も早くなる)

キック式のモーター始動において,キック力が十分ならば,点火後もまわし続けて,燃焼が拡がるころに上死点を通過し,本来の回転力が出てモーターが始動する.
逆に,キック力が足りなければ,点火位置に到達できず,点火せずに終わる.


さて,キック力が中途半端で,「点火後かつ上死点手前」でキックが終わったときに恐怖のケッチンは起きる.
点火位置を過ぎているので,当然燃焼が始まる.
しかしモーターの燃焼が拡がっても,キックによる回転が止まるのが上死点手前なので,ピストンが押し下げるときには,逆回転する.
それも,燃焼しているので,大きなパワーで.
これがケッチンである.あざになるくらいは普通.骨折もありうる.

キック式のビッグシングルSR400なんかでは気をつける必要はある.デコンプ機構を使って圧力を逃しながら始動すればケッチンの反撃はさほどでもないとは思うが.

バッテリーの性能が低かった大昔の四輪車は,前から「クランク棒」をさしてモーターを手で回して始動した.これによる始動は命がけである.

ということで,以前,クランク棒経験者から,「命を守るモーター始動方法」を教えてもらったので,ここに書いておく.
基本は「力を加える向きはクランク棒を下から上に持ち上げるときである」ということ.

つまり,体重をかけて上から下に回すときように力を加えると命の危険がある.
そのときに逆転したときを想像するに,両腕を跳ね飛ばし,クランク棒顔面直撃は確実である.
下から上に回したときに逆転しても,「手を離すだけ」で済む.

次にクランク棒の持ち方.
車のクランク棒は二輪のキックペダルと違って,逆回転すると勢いで,数回回転することもありうる.このとき,親指をかけていると「手を離せない」ということもありうる.
つまりクランク棒に親指をかけず,
「親指は人差し指の付け根に密着させて,クランク棒の下に手のひらと親指の両方を入れて,下から上に向かって力をかける」
が正しい方法である.つまり「握ってはいけない」

と教わった.
クラッシックカーに触る機会があるときは,知っておくべき知識であると思う・・・ってそんな機会はありえないだろうなー

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