2008年6月4日水曜日

わかったつもり

西林克彦「わかったつもり」光文社新書

先日,知人に紹介された本.おもしろい.最初,「文脈がわからないと『わからない』」の節で,次の文章が紹介されていた.
新聞の方が雑誌よりいい.街中より海岸の方が場所としていい.最初は歩くより走る方がいい.何度もトライしなくてはならないだろう.ちょっとしたコツがいるが,つかむのは易しい.小さな子供でも楽しめる.一度成功すると面倒は少ない.鳥が近づきすぎることはめったにない.ただ,雨はすぐしみ込む.多すぎる人がこれをいっせいにやると面倒がおきうる.ひとつについてかなりのスペースがいる.面倒がなければのどかなものである.石はアンカーがわりに使える.ゆるんでものがとれたりするとそれで終わりである.(Bransford and Johnson,1972)
答えは本書にでている.答えを知るとこの文章の一文一文がすべてつながる.
なるほどこれがわかるということか.
こうして「わかる」とはどういうことかを解説し,逆に文脈の思い込みなどが,間違った「わかる」につながり,「わかったつもり」になる様子がわかりやすく解説されている.

さて,先の文を読んで最初に思ったことは,われわれ教員はわかってしゃべっている.つまり自分の中に文脈はある.ところが生徒は文脈はしらない.
わかりやすくしゃべってるつもりが,さっぱり伝わっていないときというのは,こういうことなのだろうと思った.

5 件のコメント:

  1. あー!これ凄い!

    だからKざわの授業はあんなにも解らなかったのか!!

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  2. 紹介した知人2009年11月12日 16:48

    この本は面白い。
    ぜひみなさんに読んでほしいものです。
    秋くらいにこの著者の西林先生を囲もうと思っています。

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  3. >まる
    確かに日常会話でも「何の話?」と聞き返すことは多かったかな.

    >○さん
    この文はおもしろいので,学校でみなに見せてます.

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  4. 行き先がわからずにどこかに連れ回されると
    疲れるのも似たような感覚だと思います(汗)


    タイトルだけ読んで,積分の話でも書いてある
    のかなと思いました.

    微分:微かに分かる
    積分:分かったつもり(積もり)になる

    と高校のとき物理の先生が言ってました(汗)

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  5. >積分
    ギャグの古典ですね^^

    「微分積分いい気分」
    てのがあったけど,最近は聞かないな.

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