2008年6月23日月曜日

1/(x^3+1)の積分

この言葉で,検索された..
これで検索されたのは,ちょっと違う問題.>ブログ記事

ということで,解いてみる.

部分分数分解
まず,\frac{1}{x^3+1} を部分分数に分解する.
x^3+1=(x+1)(x^2-x+1) より
\hspace{20}\frac{1}{x^3+1}=\frac{1}{(x+1)(x^2-x+1)} =\frac{a}{x+1}+\frac{bx+c}{x^2-x+1}
となるような abc を見つける.
両辺を (x+1)(x^2-x+1)倍して,
\hspace{20}1 =a(x^2-x+1)+(bx+c)(x+1) =(a+b)x^2+(-a+b+c)x+(a+c)
これは恒等式だから,係数を比較して,
\hspace{20}a+b=0-a+b+c=0a+c=1
この連立方程式を解くと,
\hspace{20}a=\frac{1}{3}b=-\frac{1}{3}c=\frac{2}{3}
ゆえに,
\hspace{20}\frac{1}{x^3+1} =\frac{\frac{1}{3}}{x+1}+\frac{-\frac{1}{3}x+\frac{2}{3}}{x^2-x+1} = \frac{1}{3}\left(-\frac{1}{x+1}+\frac{x+1}{x^2-x+1} \right)
したがって,積分は
\hspace{20}\int\frac{1}{x^3+1}\,dx  =\frac{1}{3}\left(\int\frac{1}{x+1}\,dx   +\int\frac{-x+2}{x^2-x+1}\,dx \right)
と表せる.それぞれ,積分を分けて考える.

1/(x+1)の積分
\hspace{20}\int\frac{1}{x+1}\,dx  =\log|x+1|

続いて2項目(-x+2)/(x^2-x+1) の積分
分母の x^2-x+1 の微分が 2x-1であるから,分子の1次式の中にそれを作り出す.xの係数が2だから分母,分子を2倍して,
\hspace{20}-\frac{2x-4}{2(x^2-x+1)}  =-\frac{2x-1-3}{2(x^2-x+1)}  =-\frac{2x-1}{2(x^2-x+1)}+\frac{3}{2(x^2-x+1)}
したがって,積分は
\hspace{20}\int\frac{-x+2}{x^2-x+1}\,dx = -\frac{1}{2}\int\frac{2x-1}{x^2-x+1}\,dx +\int\frac{3}{2(x^2-x+1)}\,dx \\ \hspace{20}= -\frac{1}{2}\int\frac{(x^2-x+1)'}{x^2-x+1}\,dx + \frac{3}{2}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx \\ \hspace{20}= -\frac{1}{2}\log(x^2-x+1) + \frac{3}{2}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx

3項目1/(x^2-x+1) の積分
まず分母を平方完成すると,
\hspace{20}x^2-x+1 = \left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\frac{3}{4}=\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2
より,x-\frac{1}{2}=\frac{\sqrt{3}}{2}\tan\thetaと置換すると分母は
\hspace{20}x^2-x+1=\left(x-\frac{1}{2}\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2=\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\tan\theta\right)^2+\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2\\\hspace{20}=\left(\frac{\sqrt{3}}{2}\right)^2(\tan^2\theta+1)=\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}
したがって,dx=\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}d\thetaより,
\hspace{20}\int\frac{1}{x^2-x+1}\,dx = \int\frac{1}{\frac{3}{4}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\cdot\frac{1}{\cos^2\theta}d\theta \\ \hspace{20} = \frac{4}{3}\cdot\frac{\sqrt{3}}{2}\int1\,d\theta = \frac{2}{\sqrt{3}}\theta = \frac{2}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x-1}{\sqrt{3}}

したがって,
\int\frac{1}{x^3+1}dx = \frac{1}{3}\log|x+1| - \frac{1}{6}\log(x^2-x+1) +\frac{1}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x-1}{\sqrt{3}}

同様に 1/(x^3-1)の積分
\int\frac{1}{x^3-1}dx = \frac{1}{3}\log|x-1| - \frac{1}{6}\log(x^2+x+1) -\frac{1}{\sqrt{3}}\arctan{\frac{2x+1}{\sqrt{3}}
(原始関数につきものの「積分定数」は省略しています.)

検算は微分すれば簡単.検索した人はこれをコピペして宿題を完成させればいいw

7/1 追記
「1/(x^2-x+1) 積分」
という検索後でヒットされた.ちょうどこのページに答えがある.きっとこれをコピペしたのだな.

>>積分の記事

6 件のコメント:

  1. 連立方程式を解いて、a,b,cの値が出たのは良いのだけれど、
    「ゆえに,」
    の下の式の左辺の分子が1でなくてxになっているのはなぜでしょう?

    それから、「分母の1次式の中にそれを作り出す.」
    とあるけど、分子の1次式ではありませんか?

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  2. > xになっているのはなぜでしょう?
    以前の記事の式をコピペしたとき,直し忘れたからw
    http://kurobe3463.blogspot.com/2005/11/integration-of-xx31-on-0-to-infinity.html

    > 分子の1次式ではありませんか?
    そのとおり.すごい.
    誰も読まないと思って,書いているのに,よくわかりましたね(爆
    直しました.
    これも,以前のページからコピペ.
    つまり以前のページにも同じミスがあったので,そちらも直しました.

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  3. まあ、つまりそれ以外は分かっていないだけです。(爆)
    なぜlogの絶対値?なぜarctan?そもそも積分の概念って何?
    っていうレベルですから。(^-^;)

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  4. 長くなったので記事にしてしまいました.

    http://kurobe3463.blogspot.com/2008/06/question-on-integration.html

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  5. 了解しました。
    早速「解読」してみます。

    なお、大学生の息子に向かって得意げに「この中に間違いが2つある。」と言って見せたら、
    私が指摘した所以外の箇所を3カ所指摘していました。
    「ゆえに」
    の後の式と、その式の下の
    「したがって、積分は」
    の下の式です。

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  6. あ,ほんとだ.符号が2箇所間違っているのと,数字が2になってる.

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