2003年12月14日日曜日

数学教育

新聞2003年11月24日朝刊の読者投稿より
「正答なのに減点」
私,元高校の数学教師.ある県立高校の女子生徒に,縁あって数学を個人的に教えている.
sin cosのある問題で,「公式を用いて解く方法と図を用いて解く方法があって――」と教えた.2学期の中間考査でこの種の問題が出た.生徒は図を描いて解く方法で答えた.正解にもかかわらず,20点満点のところ12点で4割も減点された.先生に減点の理由を聞きに行ったそうである.先生は「私は公式を用いて解く方法しか教えなかった.しかし君は別のやり方で解いた.それは授業を聞いていなかった証拠で,教えた通りの回答が出来なかったと解釈できるので減点した」とおっしゃる.生徒は「授業は聞き,両方の方法を知っていたが,図を使った方がすてきに思えた」と話している.
私は,減点はおかしいと思った.高校の教頭先生に電話で問い合わせたら,「教科内で採点基準を決めており,それに沿った決定」と言う.埒(らち)があかないので県教育委員会に電話し,事情を説明して抗議したが,それっきりであった.昔,教師をしていた高校の30周年記念の集いに出かけた折,数学科の先生に話すと,「減点は不当」との意見だった.
私の抗議を年寄りのたわごとと思っているのだろうか.正答なのに減点する.そんな数学教育を情けなく思う.

ここで批判されている人,実は知人.

この投稿を見ると,知人の行為は投稿者の言うとおり「そんな数学教育を情けなく思う」し,「減点は不当」とも思う.
が,知人の話を聞くと,この記事の元数学教師の投稿者は教育の意味(段階を踏んで少しずつ身に付けさせる)をわかっていない.

この問題は「算数で解くか,数学で解くかの違い」である.

鶴亀算でできれば,連立方程式は教えなくていいのか?
放物線の頂点を求められれば,微分は教えなくていいのか?
円の面積の公式を覚えれば,積分を教えなくていいのか?
掛け算の九九を暗記すれば群論は不要か?
積み木を分類できれば,トポロジーは不要か?

> 「私は公式を用いて解く方法しか教えなかった.しかし君は別のやり方で解いた.それは授業を聞いていなかった証拠で,教えた通りの回答が出来なかったと解釈できるので減点した」

これは誹謗中傷ですね.知人はそんな言い方をしていない.知人は授業中,生徒全体に
「これは数学Iの図を描く方法でもできるが,式変形だけでできるようになることが次の理解につながるので,次回の中間テストでは新しい方法が身についたかどうかで採点する.」
と採点基準を予告したと言っていた.
それで数学Iの方法を減点しなかったら,「うそつき」になってしまう.

数学Iの三角比は算数.数学IIの三角関数は数学.鶴亀算と連立方程式くらいの違いがある.
数学IIの三角関数の大多数は数学Iの図形的知識で解ける.難しい問題を数学を使わず,算数的に「図形的に解く」というのは「エレガントな解答」とも言え,「図を使った方がすてきに思えた」生徒の感覚は正しい.
だからといって,「数学II」の式変形の技術が不要だとは言えないのである.ここで式変形を身に付けてもらわなければ,次の内容が説明できないのだ.
次に続く加法定理や三角関数の合成の理解,さらには「数学III」につなげるには,毎回の計算を悠長に図形など使うわけにはいかない.「すらすらと計算だけでできる」ようになってほしいのだ.
投稿者によれば「数学IIは不要だ」とおっしゃる.これで元数学教師というのだからおそまつである.

>  私の抗議を年寄りのたわごとと思っているのだろうか.

まさしく,「教育」を理解しない人間のたわごとですね.
おそらく,自分の教え方のせいで減点され,自分の教育を否定された気がし,頭にきて知人や教頭や教育委員会に電話,新聞投稿したのだろう.このような頑迷な年寄りにはなりたくないものだ.「そんな数学教師を情けなく思う」よ.

最近,大学の先生の話を聞く機会があった.その中で
「学生はとにかく,答案が書けない.高校では,答案指導というものはしていないのか.やりかたがどうでも答さえ合っていれば,途中はどんなにめちゃくちゃでも『減点は不当だ』という.」
という話.おそらくこの新聞投稿者は30年以上にわたってそういう生徒(答えさえ合っていればなんでもいい)をたくさん育てたのだろう.
30周年記念の集いの元教師連中も同じ穴のムジナだ.
私は正答であってもきちんとした答案になっていなければ,減点するし,誤答でも途中過程が正しければ点数を与えている.そんなことはあたりまえだと思う.

もちろん,「実力テスト」や「知能検査」なら事情は逆.
数学IIの問題を数学Iの方法で解いたり,トポロジーを積み木の分類で解いたら,そちらのほうが得点を高くしたい.

2003年12月11日木曜日

大型二輪免許 実技試験第1回

期末考査中なので,試験監督に支障の無い午後に予約をしていた.
単車で行ったので,結構早めに着いた.
本館を通り抜け,裏に廻る.二輪棟に入ると待合ホールに
 「本日は2コース」
との掲示があったので,コースに出て下見をし,イメージトレーニング.
それでもたっぷり時間が余り,あちこちうろうろ.雨が降り出す.
12時半ごろ印紙の売店が開き,受験料4,400円分を貼ってもらう.

13時に受付開始.受付の周辺にいたから1番で受け付ける.
初めての実技試験なので,適性検査を受ける.
視力検査は問題なし.
そして,405番のゼッケンをもらい,実技試験の待合所に行く.
すると外国人がいたので話しかける.
「雨が降っていていやですねぇ.日本で免許取るのですか?」
「外国免許の切り換えです.今回が2度目.前回は右折時に右に寄らなくてだめだった.」
「へぇ,単なる書類上のことだけでなく,実技試験があるんだ.」
「でも,みなさんとは違うコースみたいだよ.」
いろいろ世間話.といってもいまいち日本語がお互い通じないので,ときどき英語を混ぜて.でも,こちらは全部英語で話せるほどの語学力は無い.

さっそく,試験の説明.事前審査のときと同じ試験官.やはりとても早口で,流れるように決まっている内容を説明.雨が降っているので,急停止は14m.
今日は大型5人,普通2人,小型1人.
その後,外国免許の切り換えの1人だけ呼ばれて説明を受けていたが,われわれよりも短いコースで,横で聞いていると,一本橋,スラローム,波状路はすべて時間制限なし.通過できればよいとのこと.基本は法規遵守運転を見るようだ.

さて,一番に受け付けたので,開始も一番.
車両はCB750だった.はじめに採点対象外の慣らし運転が出来る.
またがると,第1印象が
 「ひぇぇぇー,でっかいなぁー.やばいなー,転倒しないかなー」
発進してはじめの交差点を右折.
 「シフトはストロークが小さく確実で,いいフィールだな」
信号交差点の手間を右折,普通二輪のスラロームの脇をすりぬける.
 「うぅぅぅ,でかいよー」
慣らし運転といってもぜんぜん慣れない.
左折で通りに出てすぐ右折.そして,外周路に出て右折して,出発点に戻る.
ここで,モーターを切るという失敗をする.つまり,本試験開始の指示が車体のスピーカから出ない.モーターを切れば,当然そうなる.
すぐ気づいて,モーターをかけるとすかさず,
 「では,くろべえさん,始めてください.」

車周辺の安全を目視し,ハンドルを持ち,前ブレーキを握り,スタンドを払い,またがるとバランスを崩し,思わず右足を着いてしまう.
「う.やばい.右足はブレーキペダルだ」
ブレーキペダルを踏み,ミラーを直す.
右後方目視,右足を着き,チェンジペダルを1速.
左後方目視,左足を着き,ブレーキペダル.(足を着き直すたびにそちら側の後方確認が必要.つまりコースに出たら,停車時に足を着くのは左足のみで,右足は常にブレーキペダルに乗せておく.)
右後方目視後,右ウィンカー.右後方目視後,発進.コースに出てキープレフト.
先の障害物通過の針路変更のため,右ウィンカー,右後方目視,針路変更.
障害物通過中に左ウィンカー,左後方目視後,左へ針路変更.
外周路を廻る.
バックストレートは時速40キロ指定.一気に加速.気持ちいい.
カーブが近づき,前後輪のブレーキを同時3回に分けてブレーキング..
出発点脇を通るころ,右折に備え右ウィンカー,右後方目視,車線変更,右折,キープレフト.
信号は青.おっと,左右安全確認を忘れるところだった.もう交差点に入っていたが,一応左右に頭を振る.
左ウィンカーを出して,一時停止.また右足を着いてしまう.(右足はブレーキだっちゅうの!)
外周へ左折,キープレフト.
左ウィンカー,左後方目視,左へちょっとだけ針路変更,左折後すぐ道を横断する形になるので,左右に頭を振って,一本橋.
手前パイロンで一時停止後,スタート.
落ちそうになるので,加速.

「あぁぁ10秒なんて無理だよー.でかいなー」
道路を横切るとき左右に頭を振り,そのままスラローム.
で,2本のパイロンの間からスラロームに入らなければならないのに,左の外側から大きく廻って入ってしまった上,雨で怖くて,ぜんぜんスピードが出せない.
 「こりゃだめだー」
とあきらめムード.
左ウィンカー,左右確認,左折,
交差点通過.ここでは安全確認は忘れなかった.
左ウィンカー,一時停止.ってまた右足つき.
左折で,外周.
S字に左折,左折で通りに出て,青信号通過.
続いて,クランク.出口左折で,大きく膨らんでしまう.

外周走行中.「くろべえさん,点数が超過しました.戻ってください.」
 「やっぱり・・・」
左折して,信号交差点.左折して,そのまま直進し,外周から出発点に戻る.
車両を止め,アドバイスを受けに,望楼に登る.


「スラローム入り方を間違えちゃいましたね.一本橋が7秒台,スラロームが10秒台.もっと練習して慣れましょう.それから,走行中はレバー類に指をかけて走らないようにしましょう.」

あ.まったく意識から飛んでいた.知っていたのに・・・.車体の大きさに圧倒されて,ずっとレバーに手をかけ,シフトの下に足を入れていたような気がする.それじゃぁ受からない.まぁ,一本橋7秒台で15点減点,スラローム10秒台で20点減点で合計35点.それだけで試験中止だ.
でも,今回で課題が見えた.「大きさにビビらないこと」に限る.練習するといっても,私のとっての大型二輪の練習は,この試験の時だけ.次回に備えてイメージトレーニングを積むしかない.

その後,運転免許申請書に「適性試験合格」のスタンプが押され,「半年間は適正試験免除になりますから,次に受けるときはこれも一緒に出してください.」とのこと.

この日は5人受けて,1人合格.落ちる人は見ていて落ちる運転をしている.
自分もまったく落ちる運転をしていた.
予約を取ると次回は1月.1月は出張が多いので,それを避けて1月21日の午後にする.
やれやれ,いつ免許が取れるのか,先がまったく見えない.

>>参考


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